乳業異変!!
今年の牛乳の需給バランスは、このホームページを開設した9月ころには予想もできなかった事態になってきています。
酪農家サイドの生産量の減少も若干ありますが、そんなレベルでは説明できないほどの局地的な原乳不足が発生しています。
ただ生産県では既に加工乳の発生もあり、決して全体量が不足している、という事ではありません。
ある乳業メーカーの話に、今秋においては明日仕込む原乳がないような状態のとき、
「隣の県では粉を吹いて(生乳販売せずに加工貯蔵すること)いた」とくやしそうに話していました。
今年の秋、乳業メーカーにとって最も顧客の信用を失う「欠品」という事態に多くの中小メーカーが直面しました。
MMJのホームページ開設はこうしたメーカーの原料不足の解消に微力ながら役に立つことができたと思います。
大手メーカーより高い単価で(5円〜10円)酪農家より原乳を買い入れていただいている独立した中小メーカーこそ、
私たち生産者サイドが大切にしなければならないお客様であると考えています。
全国を8個のブロックにまとめようとする乳業再編事業は大手メーカーと組合にのみ有利に働いているようです。
MMJはホームページを開設して3ヶ月ですが、酪農家、乳業メーカー、関連業者など、多くの問い合わせや販売、購買の注文をいただきました。
一部対応が間に合わない事もありましたが、今では全国に原乳の発送を展開しています。
これから年度末にむかい、配乳の年間契約のシーズンです。
MMJでは年間出荷契約を希望する酪農家を募集します。お問い合わせお待ちいたします。
生産者乳価はまだ決定されない状況が続いています。
話し合いで決めると云う事が果たして正しい決定方法なのか?どのような話し合いがなされているのか誠に疑問を感じるところです。
需給バランスは近年に無く牛乳が逼迫しています。
毎年生産者から出される交渉開始時の要求額と、決定される価格との大きな開きも呆れるほどの価格差があります。
「お決まりのデモンストレーションさ」と、農家の間では陰口も聞かれますが、
「嫌なら牛乳を出荷しなければいい」のですから農家の皆さんはそれなりに納得しているのでしょう。
雪印のあいた穴を大手メーカーがシェア拡大を狙い動いていますが、それもだいぶ安定してきています。
大手ブランドの信用が失墜した今、個性ある中小規模のメーカーが消費者を獲得するチャンスではないでしょうか。
話は変わりますが、酪農に携わっている農家の仕事を見ていると本当に大変であると思うのです。
ともかく労働時間が長い。
朝、暗いうちから起き、朝食も食べずに搾乳を始め、 食事は9時、10時となる。日中は糞片付けや畑の牧草作り、暗くなったらまた夜の搾乳となる。
夕食は夜の9時、10時。
「牛が好きだから」という言葉も自分を慰めているように聞こえてしまう。
人間、人生3分の1はベットの中か布団の中、残り3分の1は仕事、
最後の3分の1が 食事、バス、トイレ、セックス、デート、勉強、テレビ、趣味、子供の世話、サラリーマンであれば通勤時間もある、
一般的な現代人はこんな風な時間帯で生活していると思う。
酪農家は人生において最も貴重な最後の3分の1がほとんどない、何しろ酪農ヘルパーが 来てくれる年間数日のほかは365日休みなしである。
一般社会では週休2日でも足りず 週休3日になろうという時代において、異常な職業といえる。
昨年、フランスの酪農家を訪れる機会があった。
フランスはヨーロッパの中でも社会主義色が昔から強い国で、労働者は週4日半の労働(週休2.5日)を完全週休3日にするよう働きかけているという。
酪農家も負けずに国の制度として、ヘルパー供給を週3日にするよう働きかけているという。
自分の生活を大事にし、自己主張をしっかりする国だなぁ、 と再確認した。
列車に乗ってみた。
ユーロスターは25年前に訪れたとき初めて乗った列車とは比べ物にならないほど速く快適だった。
変化がないようで訪れるたびに少しずつ変化している。
ところが田舎の田園風景は昔のままの牧歌的な風景が続いていた。
緑の草原の中で真っ白いからだのシャロレー種が親子で草を食んでいた。
酪農家のひとはとかく忙しい、忙しいと言う、「忙しい」とは心を亡くすと書く。
本当の 自分の人生を見つめ、家族を見つめ、酪農という事業に何を求めるのか、考える時間を持っていただきたいのです。
酪農家は高齢化が進み、平均年齢は50歳を超える。後継者がいないというが、当たり前ではないかと思うのです。
酪農家の収入は乳業メーカーが支払う乳価にほとんどを占められる。
このデフレ時代に メーカーに乳価を上げて欲しいなどと言ってみてもわがままというものだ。
しかし厳しいとは言ってもメーカーサイドの意見も聞いてみるとよい。
特に中小の乳業メーカーは酪農 家が高齢化とともに衰退していくことを望んではいない。
残るべき農家にはしっかりと残って欲しいと思っている。
酪農家の勇気ある自己主張の場としてこのページに参加していただきたい。
そしてメーカーと直接取引きして活路を見出していただきたい。
群馬では5軒の酪農家が(株)ラク テックスを立ち上げた。
計画的、かつ組織的なアウトサイダーの誕生である。
日本で初め ての酪農家による原乳販売株式会社である。
先日1周年記念パーティーがあり参加させていただいたが、新しい潮流が確実に生まれてきている。
これから牛乳の需給関係は秋を迎え安定期に入りますが、生産者乳価の地域格差は依然として大きく、
今後安定期から不需要期に入りますとさらに牛乳生産県では乳価の値下がりが心配されるころと思います。
今年の生産者乳価はまだ決定されないといいますが、すでに年度半期が過ぎようとしています。
長年安定していた牛乳の世界ですが、最大手の雪印事件に始まり、全国8ブロック化の中で大きな転機を迎えているようです。
牛乳生産については9月中旬以降暑さも和らぎ各地生産乳量も回復してきていますが、全国的に激しいシェア争いがあり、値上がり傾向にあります。
このホームページを開設して以来、各地で指定団体制度(行政が指定した各都道府県1指定団体)や牛乳出荷のアウトサイダーについて多くのことが議論されていることと思います。
自分の経営基盤の足元を見直すこと、通常、経営上最も感心を持たなければならない販売単価に目を向けることを酪農家の方はしておりません。それで良いのでしょうか?
良いはずはないのですが、そのことはタブー視されているといってもいいでしょう。
何時からそうなったのでしょうか?
今から40年ほど前、急速な需要拡大から生産者乳価もうなぎ登りに上がり酪農家の事業拡大意欲も盛んだったころです。
酪農組合は各地に創設され、それぞれ特色ある事業展開をしていました。
その後、止まらない酪農家の生産規模拡大に対して、需要が増大から減少へ反転します。
大幅な余剰乳の発生を期に乳価の下落を経験し、酪農組合の整理統合も行われました。
酪農という当時としても資本投下の大きな業種はランニングコストが高くつきます。
乳価の乱高下、貯蔵の困難な原乳が余るという事が経営を圧迫し、現在行われている無条件委託販売の牛乳再販制度、指定団体出荷を始めるきっかけになっています。
今と比べれば農家の経営基盤は小さく、交通インフラ、輸送技術、通信手段は脆弱でした。
そうした中においては最善の方法であったと思います。
現在、交通インフラはもういらないとまで言われるほど整備され、高速輸送網が行き届いています。
通信手段もIT、携帯電話の出現で革命的な速さとネットワークの拡大を実現しています。
酪農界でもメガファームが各地に生まれ飼養規模は大きくなり、個体乳量は格段に増えました。
生産技術の進歩は目覚ましいものがあります。
ところが販売はどうでしょう、価格はいったい誰が決めているのでしょうか。
生産物を売るということは技術とコストを積み上げた「物がお金になる瞬間」です。
最も大切にしなければならない緊張の一瞬のはずです。そこで得たお金が生活の糧となり、経営の血となり肉となります。
販売方法、価格決定方法も改革されていい時期を迎えているのです。
ある著名な畜産経営者のことばに、「自分の生産物に価格を付けられないような経営に未来はない」という名言があります。
今、酪農家に最も求められている意識ではないでしょうか。
現在、原乳は大変逼迫している状況にあります。
毎年この時期には原乳が全国的に不足し、マーケットの価格はコストの限界を超えて高騰します。
昨年から今年にかけ、全国8ブロック化という乳業再編に伴い、インサイダー(牛乳再販制度加盟農家)とアウトサイダー(非加盟農家)の出入りが激しく、
大きな流通の変化があったようです。
農家サイドではBSEの影響で搾乳牛が高齢化し生産量が減少しているところへ、追い討ちをかけるように夏の酷暑に見舞われました。
組合によっては前年対比9割の生産量というところもあります。短期的ですが原乳の不足感は続くと思われます。
酪農業界では何年かに一度、牛乳が過剰生産されたときには生産調整という形で厳しい軋轢を受けました。
そのつど実行されたペナルティーは過去3年の実績から…(地方によって様々ですが)というもので、新規参入者や、
新たに規模拡大した農家には大変厳しいものとなりました。
過剰生産の原因についてはいろいろ考えられますが、農家にとってこのような事態に「出荷先がひとつしかない」ことが問題であると考えられます。
前回の事例では大きな酪農組合ほど数の暴力的ちからが働き、一部の酪農家に大変な負担を強いる結果を招きました。
「出る杭は打たれる」ということです。
日本全国のインサイダー、アウトサイダーすべての酪農家にとって、出荷先が複数になるということがどれほど心強いことか、
MMJによって実感していただきたいと思います。
若い、経営スピリットあふれる酪農家が思う存分自分の経営を発展させられるような環境を作りたいと考えております。